前回の記事では、フロントのセンターシートのリクライニング加工を紹介しましたが、
今回はキャラバンのセカンドシートをDIYで簡単にリクライニング加工する方法をご紹介します。
リクライニング機能がないセカンドシートも、加工後はほぼ水平になるまで倒すことができるようになり、長距離の移動でも快適に過ごすことができます。
このブログ記事では、加工手順を写真付きで詳しく解説しているので、DIY初心者の方でも安心してチャレンジすることができます。
車検対応かつDIYで簡単にできる方法ですので、ぜひ参考にしてみてください。
- 純正状態のセカンドシートの問題点
- セカンドシートのリクライニング加工の方法
- リクライニング加工をすることによる効果
もくじ
1. キャラバンのセカンドシートの問題点
日産のNV350キャラバンは、トヨタのハイエースと同様に広い車内空間と優れた積載性を備えた人気の商用車です。
しかし、荷物をのせる貨物の商用車がために、DXグレードのセカンドシートは、おまけの補助席のような感じで、以下のような問題があります。
- ほぼ直角でリクライニングができない
- 座る人が疲れやすい
- 疲れても横になれない
セカンドシートはフラットに折り畳むことはできますが、リクライニング機能がないため、ほぼ直角の乗車姿勢になり長時間座っていると疲れやすくなってしまいます。
以上の問題点をリクライニング加工することで、以下のような効果が期待できます。
- 快適な乗車姿勢にできる
- 最大で水平になるまで倒せる
- 疲れたら横になって休める
2.準備するもの
2-1.ディスクグラインダー
ディスクグラインダーは金属研磨や切断に使用できる電動工具です。
リクライニング加工では、金具の切断に使用します。
上のものはDIY用におすすめなコスパの良いリョービ製ですが、ホームセンターで安いものは3,000円前後から購入できます。
2-2.切断砥石
切断砥石は、ディスクグラインダーに取り付けて使用する切断工具です。
ディスクグラインダーに付属している砥石は、研削用のため問題なく使用はできますが、加工に時間がかかるため、安価で時短になる切断砥石を準備するとよいでしょう。
2-3.金切りのこ
金切りのこは、金属を切断するためののこです。
ディスクグラインダーがない場合やそこまでいらないという方は、多少時間はかかりますが金切りのこを使用して金具を切断することもできます。
2-4.耐火シート
ディスクグラインダーの火花で車内やシートを焦がさないようにするために用意します。
シートを外してバラして屋外で加工する場合は必要ありません。
自分は焚き火シートを使用しましたが、グラスファイバー製だとチクチクするので、チクチクしなくてやわらかい、見た目もブラックでかっこいいカーボンフェルト製がおすすめです。
2-5.ダイヤモンドやすり
ディスクグラインダーで加工した際にでるバリを除去するのに使用します。
ダイヤモンドやすりは金属や石材などの硬い素材を削るためのやすりで、鉄工やすりと違って目詰まりしにくいのでおすすめです。
2-6.保護具(革手袋、保護メガネ)
ディスクグラインダーは使い方を誤ると重大な事故につながる可能性があるため、安全に作業を行うために必ず保護具を着用しましょう。
- 革手袋は、火花でのやけどや砥石の接触から手を守るため
- 保護メガネは、火花や切断片から目を守るためを
手袋に軍手を使用すると繊維や糸が巻きこまれて重大な事故につながる恐れがあります。
耐熱性があり、繊維の出ない革手袋をつけるようにしましょう。
3.セカンドシートのリクライニング加工の方法
3-1.セカンドシート脇のカバーのねじを外す
まずは、加工するリクライニング金具を隠してあるセカンドシート脇のカバーを外していきます。
赤○部分のねじをプラスドライバーで外します。
3-2.セカンドシート脇のカバーとレバーを取り外す
ネジを外したら、カバーを手で引き剥がすようにして取り外します。
リクライニングのレバーは裏からクリップで止まっているので、画像のように上に回転させるように引っ張るとクリップと一緒にカバーとレバーが外れます。
シート右側(反対側)のカバーにはレバーがないので、ねじ1本外せばカバーは外れます。
3-3.六角ボルト2本を外す
カバーを取り外すと、シートフレームに六角ボルト2本が現れます。メガネやソケットレンチを使用して、ボルトを外しましょう。(反対のシート右側も同様)
金具がお目見えしたので、このまま車内で加工することもできます。
ですが、ボルトを片側2本ずつ、左右で計4本外すだけで背もたれを外すことができるので、外して屋外で加工します。
3-4.シートの背もたれを取り外して加工箇所を確認する
ボルトを外したら、シートの背もたれを車体から取り外します。
金具の上側にある赤丸部分、リクライニングの邪魔をしている出っ張りが加工箇所です。
ここの赤枠部分に、リクライニングのロックがぶつかることでシートが止まるようになっているので、削ることによってシートがさらに倒れるようになります。
3-5.加工箇所を切断する
ディスクグラインダーに切断砥石を取り付け、画像の赤点線のようにリクライニング機構を阻害している金具を切断します。
加工する際に火花が発生するので、加工箇所の周辺に耐火シート敷いて火花や熱からシートを保護します。
切断する際は、安全眼鏡や手袋などの防具を着用し、周囲に人がいないか確認してから行ってください。
3-6.干渉しないか動作を確認する
切断が終わったら、リクライニングの動作を確認します。
外したレバーをはめてリクライニングの動きを確認し、切断した箇所に干渉せずに動作すればオッケーです。
反対側も同様に加工しましょう。
3-7.シートを取り付ける
問題なく動作確認ができたら、シートを車体に取り付けます。
背もたれをのせてボルトの穴位置を確認し、片側2本ずつ両側で4本のボルトを取り付け、シートを固定します。
3-8.レバーにクリップを取り付ける
次にレバーにクリップを取り付けていきます。
まずは上の画像のようにレバーの持ち手側から溝にクリップをはめます。
上の画像のようにレバーにクリップをはまって、装着された状態にします。
カバーにレバーと同じ形の溝があるので、その形に合わせてレバーをはめます。
3-9.カバーを取り付ける
先ほどあわせたレバーとカバーを、金具に合わせてグッと押し込めば、中でピンがはまって抜けなくなります。
あとはねじを1本締めればカバーの取り付けれるので、反対側のカバーも同じように取り付けましょう。
これで作業は完了です。
4.セカンドシートのリクライニング加工の効果
フロントセンターシートも同様に金具を加工することで、リクライニングがほぼ水平になるまで倒すことができるようになります。
もちろん途中のお好みの角度で止めることも可能で、
そのおかげで長時間の乗車でも疲れにくくなり、車内空間をより快適に活用することができます。
荷物をのせる際の幅も広がり、車中泊仕様で荷室にベッドを作る際にも、シートの高さに作れば段差なく広々としたベッド空間にすることも可能になります。
- 水平になるまで倒せる
- 快適な乗車姿勢にできる
- 使用用途の幅が広がる
5.まとめ
キャラバンのセカンドシートをリクライニング加工することで、セカンドシートに乗る人の疲労を軽減し、快適性を向上させることができます。
そして、この状態で問題なくディーラーでの車検に通ることができました。
今回紹介した方法は、車検対応かつDIYで簡単にできるため、ぜひチャレンジしてみてください。
このブログ記事が、あなたのキャラバンライフをより快適なものにするお手伝いになれば幸いです。
※注意事項
- 加工を行う前に、必ず車両の取扱説明書を確認してください。
- 加工は自己責任で行ってください。
- 加工自体は比較的簡単で難しくないのでオススメの加工ですが、ディスクグラインダーなどの工具を使用するため、安全には十分注意してください。
- ディスクグラインダーなどの工具を使用する際は、安全眼鏡や手袋などの防具を着用してください。
車検に問題なく通りましたが、全国で同様に車検に通るとは限らないので、気になる方は車検を受ける場所・陸運局などに問い合わせのうえ自己責任でお願いいたします。
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